教員が転職準備をしないのは『無保険』と同じ?今すぐやるべき3つのこと


俺は定年まで教員を続ける!
私は社会人2年目のころ、「教師は天職だ」と信じていました。
授業は楽しいし、生徒の成長を実感したときのあの幸福感。
しかも雇用は安定している。
辞めるなんて考えられない!!
同級生が教員をやめたと聞いたときも、自分には全く関係ない話だと思っていました。

盛大なフラグだったというわけか…
数年後、私は教員を辞めました。
労働環境の変化と業務量の増加に疲弊し、心身を壊してしまったのです。
今振り返ると、原因は「視野の狭さ」でした。
「教員以外の仕事は自分にできない、なんとかするしかない」
そう思い込み、無理を重ねた結果、オーバーワークになっていました。
もし当時、「教員以外の選択肢もある」という安心感があれば、余裕をもって仕事ができ、教員を続けていた可能性すらあります。

自分を客観視するのって難しいもんなー
実際の転職活動は想像以上に大変で、時間もかかりました。
なぜなら、転職するつもりは一ミリもなかったので、準備をまったくしていなかったからです。
結果として私は転職し、今は充実した生活を送っています。
そして、はっきりと実感したことがあります。
「他の選択肢がある状態」と「教員を続けるしかない状態」では、精神的な余裕がまったく違うということです。
今教員として働いているあなたに伝えたいのは、
「転職準備は令和の教員には、必須です」
転職準備は「心の保険」です。転職の意向は関係ありません。
しかもお金もほとんどかかりません。
特に20~30代の教員の方は、今すぐ始めてください。
では、具体的に何をすればいいのか、
「転職準備の3つのポイント」をご紹介します。
①業務の棚卸し|私の強みとは?
「転職準備」の第一歩は、これまでの業務を棚卸しすることです。
教員の仕事を言葉にしようとすると、意外なほど難しいと感じませんか?
なぜなら、教員は非常に多くの業務に携わっているからです。
日本の先生は世界一忙しいからな

また、多くの先生が「自分には教えることしかできない」と思い込みがちです。
しかし、他業界から見れば、意外な部分が強みとなることもあります。
まずは過去の経歴や業務内容を整理し、自分の強みを明確にしていきましょう。
1.経歴と業務をまとめる
まずは、これまでの勤務経歴と担当業務を具体的に書き出してみましょう。
例:中学校教員の経験が6年間ある場合
- 教科指導6年(英語)
- 学級担任4年(1年生2回、2年生1回、3年生1回)
- 部活動指導6年(サッカー3年、バスケ2年、バドミントン1年)
- 生徒指導副主任3年(市内交通協議会責任者)
- 行事運営2年(合唱コンクールの企画運営)
- 情報統括6年(ICT教育の推進、業務の効率化)
2.資格やスキルをまとめる
資格だけでなく、PCスキルや語学力などもあれば記載しましょう。
例を記載しますが、ここは教員免許だけでも構いません。
- 教員免許(中・高)
- 英検準1級
- FP3級
- 基本的なパソコンスキル(プログラミングを除く)

俺は教員には向いてねえから、教員免許は取らなかったわ。

トマトくん、人気の先生になりそうなのに…
3.自分の強みをまとめる
最後に、業務とスキルの棚卸しをもとに自分の強みを言語化しましょう。
可能であれば、実績を数値などで示すとさらに効果的です。
たとえば「部活動で全国大会出場」「授業アンケート満足度○%」など、客観的に表せるものは説得力を高めます。
ただし、このステップはとても難しいものです。
なぜなら、自分では「当たり前」だと思っていることが、まわりからすると大きな強みであることも多いからです。
以下は、教員の経験から生まれる代表的な強みの例です。
- コミュニケーション能力
- 傾聴力
- マルチタスク処理能力
- PCスキル
- リーダーシップ
- 忍耐力
- 提案力
- 論理的思考力
- 職務遂行能力

自分の強みがわからなかったら、周りの人に聞いてみるといいよ
②転職条件を考える|業界と年収
ここでは「希望する業界における市場価値を判断する」ことを目的としています。
したがって、勤務地・福利厚生・残業時間といった働きやすさの項目はあえて除外します。
なぜなら、これらは実際に転職をする際に、職場を絞り込む要素です。
今回知りたい市場価値には、ほとんど影響を与えないと言っても過言ではありません。
今回は市場価値を業界と年収で調査していきます。
業界
実際に転職活動を始める際には、業界と業種(職種)の2つを決める必要がありますが、今回は市場価値を知ることが目的なので、業界だけに絞っています。
教員として過ごしていると、業界と業種の違いをなかなか実感できないと思いますので簡単に説明します。(私もそうでした)
なお、教員の場合は難しいですが、あえて分類するならば「教育業界」で働く、先生(職種)となりますかね。
話を戻しますが、あなたが興味がある(働いてみたい)業界を3つほど選んでみましょう。
例
- 教育業界
- IT業界
- 金融業界
- 不動産業界
- 出版業界
- 観光業界
- 医療業界
年収
教員から転職では、年収が下がってしまうことが多いのが現状です。
転職すると仮定した場合、納得できるラインを考えてみましょう。
ちなみに年代別の年収の平均値と中央値は以下のようになっています。


学校の先生は平均と比べると、年収は高いからな…

業務量に見合ってるかどうかは別問題だけどね…
③求人を検索| 市場感をつかむ
求人は登録しなくても検索できるので、どのサイトを使っても構いません。
今回は会員登録が不要な「求人ボックス」を使って説明します。
「①業務の棚卸し」と「②転職条件」で整理した情報を手元に用意して、自由に検索してみましょう。
例えばキーワードを教育業界とし、正社員かつ年収400万円以上で検索すると727,753 件 ヒットしました。(2025年8月31日現在)

絞り込みで条件を追加していきましょう。
特定のキーワードを除外し、検索することもできます。
例えば、「塾講師」を除きたい場合は、キーワードに「教育業界 not:塾講師」として検索するか、検索ボタンの右にある「+詳細検索」を押して、「結果から除くキーワード」に入力するという方法もあります。
あなたが働きたいと思える業界に、希望するような求人があるかチェックしましょう。

意外と求人見るの楽しいんだよなぁ~
まとめ
「転職準備」は、転職したい人だけのものではありません。
全ての教員にとって、「入っておくべき保険」のようなものです。
転職準備をすることで、自分の強みを再発見することもできます。
しかも、ほとんど時間もかからず、今すぐ始められます。
やらない手はありません。
もし本気で転職を考えている人には、「教員から転職するためのロードマップ」を公開しています。
ぜひご覧ください。