意識高い教員を救いたい

学校現場では、年功序列の風土や膨大な業務量の影響もあり、新しい取り組みに消極的な傾向があります。しかも給料が変わるわけではありません。
その結果、いわゆる「意識高い教員」は少数派となり、周囲から浮いてしまいがちです。

まさに僕のことだね!

そのポジティブさが羨ましいよ、、
例えば、PCを活用した業務効率化を提案しても、「PCが得意ではない人もいるから」といった理由で却下されることもありました。
私自身も壁にぶち当たり、このまま現在の環境に居続けてよいのかと悩んだ末に転職を決意しました。
しかしながら今でも、教員のキャリアについて考えることがよくあります。
そこで今回は「自称元意識高い教員」による「意識高い教員」のための、おすすめアクションを3つ紹介していきます。
長期社会体験研修
「長期社会体験研修」という制度をご存じない方も多いのではないでしょうか。
これは、各都道府県や自治体が「意識高い教員のため?」の制度で、現職教員が最大1年間、民間企業などに勤務できる仕組みです。
教員の身分を保持しながら、学校外の世界で働くという点が大きな特徴です。
私がこの制度を知ったとき、絶対に参加したい!!と管理職に直談判しましたが、経験年数が足りず断念せざるを得ませんでした…
制度の概要(例:札幌市の場合)
- 対象者:札幌市立学校に在職する教員(応募制)
- 期間:原則1年間(年度単位での派遣)
- 賃金:教員としての給与が支給される
- 勤務形態:受け入れ先の企業や団体に出向し、その就業規則に従って勤務する
(出典:札幌市教育委員会 教員長期社会体験研修)
研修先は民間企業、社会福祉施設など多岐にわたり、教育現場では得られない幅広い経験を積むことが可能です。
ただし、制度は自治体ごとに異なります。
対象となる教員の条件や研修先の範囲、給与の取り扱いなどは必ず自治体の公式情報を確認してください。
また、要項等はインターネット上には公開されていないことが多いので、書類が職場で見つからない場合は、管理職に尋ねてみましょう。
参加するメリット
長期社会体験研修に参加することには、次のようなメリットがあります。
- 視野が広がる:企業での働き方や価値観に触れることができる
- スキルアップ:学校では習得できない能力を養える
- キャリアの選択肢が広がる:転職を検討する際の経験や実績として活用できる
- 教育現場への還元:体験を授業や進路指導等に生かせる
注意点
一方で、注意すべき点もあります。
- 家庭や生活への影響:勤務地が変わることで通勤や生活スタイルが大きく変わる
- 確実に参加できるわけでない:自治体によっては希望しても参加できない場合も
- 報告書の作成がある:様式が決まっていることが多い
- 転職しにくくなる:あくまで「心理的」な話だが…
長期社会体験研修は、教員にとって「学校の外で働ける」貴重な機会です。
ただし、メリットだけでなくデメリットも踏まえた上で、検討しましょう。
資格を取得する
「資格なんて意味ないし、そんな時間はない」と思う方もいるかもしれません。
しかし、資格は適切に選べば、必ずあなたをレベルアップさせてくれます。
しかも、圧倒的な優越感に浸ることができます。

資格持ってる俺かっこいい!!

ばk……
資格を取得することで得られる達成感は格別ですし、忙しい中で「資格を取得した」という客観的な評価にもつながります。
まずは、教員の仕事に直接関わる資格の取得から始めることをおすすめします。
教員の仕事に関わる資格
例を挙げますが、資格はこの世に信じられないくらい存在するので、まずは調べてみましょう。
- 国語の教員→漢検
- 数学の教員 → 数検、統計検定
- 英語の教員 → TOEIC、英検
- MOS(Microsoft Office Specialist)
- ITパスポート
教員の仕事に直接関わらないが、市場価値が上がる資格
- 日商簿記
- ファイナンシャルプランナー(FP)
- 宅地建物取引士
- TOEIC(英語の教員以外)
これらの資格は、社会人としての市場価値を高める資格です。
教員以外の選択肢を持っておきたいという方には、取得をおすすめします。
注意点
資格を取得したことを周りに公表するのは、メリットにもデメリットにもなり得ます。
たとえば、PCが苦手なのにITパスポートを取得したとします。それを理由に「情報機器の主任を任命される」ということも、ありえます。

ちなみに僕の体験談です!
こうなると、せっかくの資格が負担になってしまうこともあるのです。
だからこそ、公表するかどうかは、慎重に判断する必要があります。
学校外での交流
私が「意識高い教員」で居続けられなかった理由の一つは、同じ価値観を持つ仲間がいなかったことです。
学校内に仲の良い同僚はいましたが、私が言いたいのは、成長意識や向上心を共有できる仲間のことです。
冒頭でも触れましたが、意識高い教員は学校の中では少数派です。
人は環境によって大きく影響されます。
どんなに自分が前向きで挑戦したいと思っても、周りがすべて現状維持を望む空気に包まれていると、だんだん挑戦する気力が削がれてしまうのです。
正直に言うと、私はそれに耐えられなくなりました。
教員をやめたあと、意識高い教員が集まるコミュニティの存在を知りました。
もしあのとき、そうした仲間の輪に参加していたら、もしかすると教員を辞める道を選ばずに済んだかもしれないと、そんなことを考えることもあります。
職場以外のコミュニティに所属しよう
最近では、オンラインコミュニティやSNSを通じて、教育に関心のある教員同士がつながる機会が増えてきました。検索すれば、教育系のコミュニティがたくさん見つかります。
コミュニティと呼ぶほど大きなものでなくても構いません。小さなグループを作って、定期的にカフェやお店で集まり、情報交換をしている方もいます。大切なのは「安心して自分の考えや悩みを話せる場」を持つことです。
そんな場から自然と生まれるのが、向上心を持った仲間です。
一緒に学び合える仲間がいるだけで、日常のストレスは和らぎ、次の挑戦に踏み出す勇気も湧いてきます。

意識高い教員が多数派のコミュニティに参加してみよう!!!