教師をやめる決断ができた3つの理由

私は教員から転職し、現在は民間企業で働いています。
しかしながら、「教員をやめて転職する」という選択は、私にとって人生最大の決断でした。
正直、何度も迷ったし、不安で眠れない日もありました。
それでも最終的に一歩を踏み出せたのは、しっかりとした理由があったからです。
この記事では、私が教員をやめる決断ができた3つの理由を紹介します。
もし、私と同じように「転職するかどうか」悩んでいる方は、参考にしてみてください。

それではいってみましょう!
1.資格取得で市場価値を実感し、自信がついたから
私は転職を考え始めた当初、教員免許しか資格がなく、特筆すべきスキルもありませんでした。正直、教員以外の仕事でやっていける自信はまったくありませんでした。
そこで、数学の教員としての専門性を活かしつつ、AIの台頭により注目度が高まっていた統計学に目を向け、統計検定2級の勉強を始めました。限られた時間を工夫して学習を続け、無事に合格することができました。この経験は、大きな自信につながりました。
しかし、その自信はシャボン玉のように一瞬で弾けてしまいました。
新しく登録した転職エージェントとの面談において、「教員はビジネス経験がないから使えない」とはっきりと言われ、ハラワタが煮えくり返りました。

あのときは、怒りで南極の氷を溶かしそうになったよ。

………
「絶対にあいつを見返してやる!!」と思いスマホで調べてみると、日商簿記2級を取得すると財務諸表を読み解き、企業の経営状況を理解できると記載されていました。
そして、ビジネスマンとして必要なスキルの一つとして、多くの企業から評価されやすい資格であることもわかりました。
これは「取得するしかない!」と確信し、勉強を始めました。
正直かなり苦戦しましたが、努力が実り無事に取得することができました。

きっかけを作ってくれたエージェントにも感謝です。
一方で「転職において、資格取得は時間のムダ」という意見もあります。
しかし、私の経験上そうは思いません。
実際に企業からは「資格そのものを評価」いただいたのはもちろんのこと、忙しい中で勉強時間を確保し、結果を出したプロセスも高く評価されました。
もし「特別なスキルがなく自信がない」と悩んでいる方がいれば、まずは資格取得から始めてみることをおすすめします。
なお、私が取得した資格についての具体的な勉強法については、こちらの記事にまとめていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
2.教員に戻れるという安心感があったから
転職を考える際、「転職に失敗したらどうしよう」と不安を抱くのは当然のことです。
私が転職を決断できた大きな理由の一つは、「最悪教員に戻ればいいや」という考えがあったからです。
教員のなり手不足と採用の現状
現在、教員のなり手不足が深刻化しており、採用倍率が低下しているのはご存知だと思います。
教育環境としては決して望ましくないですが、このような状況は、転職後に「もし戻りたくなったらどうしよう」と不安を感じている教員にとっては、安心材料となります。

業務量減らないかなぁ…
職歴加算による給与の安定
実は、民間企業での勤務経験は、教員に戻った際の給与にも影響を与えます。
多くの自治体では、教員の給与を決定する際に「職歴加算」を行っており、民間企業での勤務年数も評価対象となります。
(※ただし自治体によって制度が異なるため、必ず確認が必要です。)
そのため、再び教員として採用された場合でも、新卒と同等の初任給からではなく、民間での経験が給与に反映される仕組みがあります。これにより、経済的な不安を和らげることができます。
ただし注意点として、職歴加算は退職金の算定年数には含まれません。退職金に関しては、あくまで教員としての勤続年数が基準となります。
とはいえ、私はこれを大きなデメリットだとは考えていません。むしろ、民間での経験を活かして副業や新しいスキルを身につけることで、退職金に依存しない多角的な収入基盤を築けると捉えています。
転職をきっかけに新しいスキルを習得し、それを教員復帰後にも活かせることは、キャリアの幅を広げるチャンスであると、私は捉えています。
民間経験は教員のレベルを上げる
私が好きだった先生の一人は、民間企業で経験を積んだあとに教員になった方でした。
その先生は生徒からとても慕われていて、他の先生とは少し違う独特の魅力を持っていました。
話が面白いということもありますが、それ以上に「学校で当たり前とされていることを、そのまま押し付けない」という信念を持っていました。自分の中の正義を大切にしながら、生徒に向き合ってくださったからこそ、心に響く指導ができていたのだと思います。

この考え方は今でも大切にしているよ!
そのため、民間企業での経験は、社会人としても教員としても必ずプラスになると信じることができました。新しい視点やスキルを身につけられると考えたことも、転職を決断できた理由の一つです。
3.後悔しない人生を選びたいと思ったから
転職を決意したとき、私が一番重視したのは「将来、後悔しない選択をすること」でした。
教員として働く日々は充実している部分もありましたが、同時に「本当にこのままでいいのか」という疑問も抱えていました。仕事に追われ、時間やエネルギーをほとんど自分のために使えない日々が続き、心から満足できる人生を送れているだろうかという不安が大きくなっていきました。
人生を振り返ったとき、後悔したことは「挑戦しなかったこと」がほとんどでした。
やりたいことや挑戦したいことを先延ばしにして、後で後悔するのは絶対に避けたい。
だから私は、挑戦する道を選ぶことにしました。

水を差すようで悪いけど、僕は安定志向だけどね。

……
実際に転職して、私は多くのことを学び、視野を広げることができました。
そして何より、自分の人生をコントロールしている感覚を取り戻すことができました。
また、公務員という安定を手放すことになりましたが、決して後悔はしていません。
もし、あなたが教員を続けるかどうか迷っているなら、一度立ち止まって、自分はどんな人生を望んでいるのか、そして何を大切にしたいのかを考えてみてください。
そのうえで「やはり教員を続けたい」と思えたなら、それは素晴らしい選択だと思います。
ただ、本当は転職したいのに勇気や自信がなく、自分の気持ちに正直になれていないのだとしたら、もう一度よく考えてみることをおすすめします。
一人ひとりがこの世に生まれてきた意味を感じながら、充実した人生を歩めることを、私は心から願っています。
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